光学レンズ設計は、光がレンズを通過する際の屈折や反射を緻密に計算し、目的とする場所に、いかに鮮明で正確な像を結ぶために行います。
具体的には以下のような設計プロセスがあります。
光の透過率や屈折率、分散特性などを考慮し、最適なガラスやプラスチックを選びます。
レンズ一枚一枚の面形状や厚み、そして複数枚のレンズを組み合わせることで、光の進路を精密にコントロールします。
色のズレ(色収差)や像の歪み(球面収差など)といった、光学設計上の課題を可能な限り取り除き、クリアな像を結ぶことを目指します。
このように、光学レンズ設計は、単に形を作るだけでなく、光の物理特性を深く理解し、計算し尽くされた上で成り立つ高度な技術です。
当社では光学レンズ設計・加工支援を行っています。具体的には下記をご覧ください。
レンズそのものの性能を決定づける光学レンズ設計に対し、光学 コーティングは、そのレンズの潜在能力を最大限に引き出し、さらに付加価値を与える技術です。レンズ表面に、ナノメートル単位の極めて薄い膜を何層にも形成することで、光の振る舞いをコントロールします。
光学 コーティングの主な役割は多岐にわたります。
レンズ表面での不要な光の反射を抑え、光の透過率を劇的に向上させます。これにより、ゴーストやフレアの発生を抑制し、コントラストの高いクリアな像が得られます。
特定の波長(色味や紫外線、赤外線)だけを透過させたり、逆に反射させたりすることで、用途に応じたフィルター効果を持たせることができます。
キズや汚れがつきにくくする撥水・撥油コーティングや、耐摩耗性を高めるコーティングなど、レンズの耐久性を向上させます。
反射防止膜(ARコート)から誘電体多層膜、そして撥水・撥油膜まで、光学 コーティングの種類は豊富であり、それぞれがレンズに特定の機能を与え、性能を飛躍的に向上させているのです。
光学レンズ設計と光学 コーティングの連携が重要な理由について解説します。光学レンズ設計だけ、あるいは光学コーティングだけでは実現できない性能があるというのが理由の一つです。
具体的に説明すると、
このように、光学レンズ設計と光学 コーティングは、互いの特性を理解し、密接に連携することで、単体ではなし得ない高い次元の性能と機能を実現しています。
続いて実際に当社が光学機器の設計・開発を行った事例をご紹介いたします。
製造業向けリモートメンテナンス用ARグラス 設計開発
製造現場で使用されるリモートメンテナンス用のARグラスを開発した事例になります。ARグラスの開発にあたりお客様には以下の課題がありました。
従来他社製のARグラスを使用されていましたが、対象装置のメンテナンスの際にオペレータの指示表示が小さく、視覚的に見にくいため・・・
光学レンズ設計の基礎知識をまとめた技術ハンドブックのダウンロードが可能です。以下よりダウンロードをお願いいたします。