製造現場で使用されるリモートメンテナンス用のARグラスを開発した事例になります。ARグラスの開発にあたりお客様には以下の課題がありました。
①従来他社製のARグラスを使用されていましたが、対象装置のメンテナンスの際にオペレータの指示表示が小さく、視覚的に見にくいため、作業性が低下していました。視認性の高いARグラスを導入し、作業性を改善するという課題がありました。
②従来使用していたARグラスは操作が複雑で、オペレータ・作業者が通常業務で使用するまでに時間がかかっていました。操作性がシンプルで使いやすいARグラスを導入し、使用できるまでの期間を短縮するという課題がありました。
③メンテナンスの際に作業者は工具をもって両手を使用して作業を行うため、ハンズフリーであることを前提に、作業の邪魔にならず、かつ装着が負担にならないような仕様とするという課題がありました。
④従来、すでにメンテナンス指示用システムを構築しており、当システムを流用できるARグラスを導入し、初期コストを抑えるという課題がありました。
⑤従来使用していたARグラスについては本体価格が高く、一部のメンテナンス人員にしか展開できていませんでした。本体価格が安価なARグラスを導入して、多くのメンテナンス人員に展開するという課題がありました。
上記課題を解決できる市販のARグラスを探しておられましたが該当商材がなく、ARグラスの開発実績を持ち、オプトメカトロニクス開発に強みをもつ当社にご相談いただきました。
お客様の各課題を解決した、以下のARグラスを開発しました。
①の課題については、光学シミュレーションを活用して特殊光学レンズの開発を行いました。当光学レンズを活用したARグラスでは3m先に70インチのスクリーン画像を映し出すことが可能であり、課題となっていた視認性を解決しました。
②の課題については、ARグラスを使用するまでの時間を短縮するためARグラスのON・OFFボタンをなくし、映像入力とバッテリー入力を行うだけで電源が入る仕様にしました。操作も単純化でき、作業者にも使いやすいと評価をいただいています。
③の課題については、通常作業の邪魔にならず、装着を負担に感じないようにお客様のご要望に基づきゴーグルタイプとヘルメットタイプの2つの仕様を開発しました。ゴーグルタイプについては、眼鏡をかけていても違和感が少なく装着できるような形状で開発しています。
④の課題については、ハードウェアとしてARグラスを使用し、ソフトウェアは多様なシステムと連携ができるように開発を行っています。当事例においてもお客様が使用されていたシステムを流用し、ARグラスをHDMIでつなげるだけで映像を出すことができるように開発しています。
⑤の課題については、当社がもつ光学設計技術を用いて、構造をシンプルにして部品点数を削減できるARグラスを開発しました。部品点数を減らすことで本体の製造コストを低減しました。また、部品点数を減らすことで軽量かつコンパクトになり、③の課題の解決にもつながっています。
光学機器・電子機器 開発生産パートナー.comを運営する株式会社サンエスは、当事例のように協力会社含めた対応により、お客様の課題を解決できる光学機器の開発を行うことが可能です。ご要望に応じて最適な提案を行いますので、光学機器の設計・開発委託先をお探しの皆様、お気軽に当社にご相談ください。