製造された製品が設計通りに動作し、所定の品質基準を満たしていることを確認するために行われる一連のプロセスを検査工程と呼びます。
電子機器の検査工程は、大きく分けて以下の3つに分類されます。
電子機器を構成する部品一つひとつを検査する工程です。抵抗、コンデンサ、IC、トランジスタなど、様々な部品が使用されます。これらの部品は、外観、寸法、電気的特性など、様々な項目で検査されます。ただし、部品自体の検査は、電子部品メーカーにて行うことが一般的であり、電子機器メーカーでは行いません。
部品が実装された基板を検査する工程です。基板は、電子部品を電気的に接続するための土台となるもので、電子機器の心臓部とも言えます。
組み立てられた完成品を検査する工程です。最終製品として、全ての機能が正常に動作するか、要求される性能を満たしているか、安全に使用できるかなどを確認します。
検査項目 | 検査方法 | 説明 |
外観検査 | 目視検査、AOI | 製品の外観にキズ、汚れ、変形、破損などがないかを確認します。 |
寸法検査 | 測定器 | ノギス、マイクロメーター、三次元測定機などを用いて、部品や製品の寸法を測定します。 |
電気的特性検査 | テスター | 電圧計、電流計、抵抗計などを用いて、電気的な特性を測定します。 |
機能検査 | 試験装置 | 製品を実際に動作させ、機能が正常に動作するかを確認します。 |
環境試験 | 環境試験 chamber | 温度、湿度、振動、衝撃など、様々な環境条件下で製品を試験します。 |
安全性検査 | 安全性試験装置 | 電気用品安全法などの安全規格に基づいた試験を行います。 |
信頼性試験 | 加速寿命試験 | 長期間の使用に耐えられるか、加速寿命試験などを行います。 |
はんだ付け検査 | 目視検査、AOI、X線検査 | はんだ付けの品質を検査します。 |
部品実装検査 | 目視検査、AOI、X線検査 | 部品の取り付け状態を検査します。 |
電子機器の品質を確保するためには、検査工程だけでなく、品質管理体制も重要です。効果的な品質管理体制を構築することで、不良品の発生を未然に防ぎ、顧客に満足してもらえる製品を提供することができます。
主な品質管理体制としては、以下のようなものがあります。