電子機器の製造委託とは、電子機器の製造を外部の企業に委託することです。
自社で製造ラインを持たずに、専門性の高い企業に製造を任せることで、コスト削減、品質向上、開発期間の短縮などのメリットを得られます。近年では、スマートフォン、パソコン、家電製品など、様々な電子機器の製造において、製造委託が広く活用されています。
電子機器の製造委託には、主に以下の3つの種類があります。
ODM(Original Design Manufacturing): 依頼を受け、製品の設計から製造までを一貫して行うサービスです。
>>「電子機器ODMとは?OEMとの違いやメリット・デメリットをわかりやすく解説!」
EMS(Electronics Manufacturing Services):電子機器に特化し製造の受託を行うサービス です。ODMとは異なり、設計を請け負わないことが多いです。
>>「電子機器の製造モデル「EMS」とは?EMSで対応可能な範囲をご紹介!」
OEM(Original Equipment Manufacturing): 依頼を受け、製品の設計は行わずに、製造プロセスのみを請け負うサービスです。
>>「ODM・OEMにおける、電子機器の試作開発~量産までの流れ」
EMSへの委託を検討する際には、以下のポイントを踏まえることが重要です。
依頼先から見て、どのような製品を製造したいのかまずはその点を明確にします。その上で、例えば電子機器であればEMS事業者の中でも、どのような製品において実績があるかを確認する必要があります。
一括りにEMS事業者の中でも、小型の電子デバイスの製造を得意としている企業もあれば、大型のものの組み立てを得意としているところなど企業によっても得意、不得意な分野があることがあります。
EMSであれば、設計の対応が難しい場合が多く、その場合はODM事業者を探す必要があります。もし、設計から委託したい場合は、電子回路・基板設計をはじめとした組み込みハードウェア開発、マイコンファームウェアなどの組み込みソフトウェア開発など、対応できる設計範囲も確認の上、適切な業者を決める必要があります。このように事前に、委託する工程範囲を決めておくことが重要です。
もし生産が拡大した際も柔軟に対応できる生産キャパシティーをもった事業者かどうかを事前に確認しておくことが重要です。
生産を拡大したい際に、既に依頼した委託先の生産キャパシティーに限界がある場合、再度委託先を探し直し、また一から製品設計からすり合わせを行う手間が発生してしまいます。
想定している予算と製造コストが見合っているのかを事前に確認する必要があります。製造コストの内訳は主に、材料費と労務費に分類されます。特に労務費については、国内製造の場合と海外工場の製造とで人件費に違いがあるため、海外工場の保有の有無を事前に確認しておくことが重要です。