近年、電子機器の製造において「EMS」という言葉を耳にする機会が増えてきました。EMSとは、Electronics Manufacturing Servicesの略で、電子機器の設計を除いた製造部分を外部に委託するサービスです。
特に、電子機器の心臓部とも言える「基板実装」において、EMSの活用が注目されています。
基板実装を専門性の高いEMS企業に依頼することで、様々なメリットを得られます。本記事では、基板実装をEMSに依頼するメリットについて詳しく解説していきます。
基板実装とは、電子部品をプリント基板に実装する工程のことです。プリント基板は、絶縁体である基材の上に導体パターンを形成したもので、電子部品を電気的に接続するための土台となります。
基板実装には、大きく分けて以下の3つの技術があります。
電子部品を基板の表面に実装する技術です。小型化・軽量化に適しており、現在主流となっています。部品のリード線を基板の穴に通す必要がないため、実装密度を高めることが可能です。
電子部品のリード線を基板の穴に通し、裏ハンダ付けする技術です。表面実装技術に比べて部品の固定強度が高く、大型部品や振動の多い環境で使用される部品に適しています。
SMTとスルーホール実装を組み合わせた混載実装や、3次元実装など、様々な実装方法があります。
EMS とは、Electronics Manufacturing Services の略で、電子機器の製造を顧客の代わりに受託するサービス、またそれらを行う企業のことを指します。
通常、電子機器メーカーは製品の設計、試作、生産、配送、保守といった機能を備えていますが、EMS はその中でも特に生産部分をメーカーに代わって請け負います。
EMSについて下記記事でも紹介しておりますので、こちらをご覧ください。
>>「電子機器の製造モデル「EMS」とは?EMSで対応可能な範囲をご紹介!」
基板実装をEMSに依頼することで、企業は以下のようなメリットを得られます。
また、EMS企業の効率的な生産体制を活用することで、納期短縮やリードタイム短縮を実現できます。
EMS企業は、基板実装に必要な設備や人材を既に保有しているため、初期投資を抑えることができます。また、大量生産によるスケールメリットを活かすことで、製造コストを削減できます。
EMS企業は、基板実装に関する専門知識やノウハウ、高度な技術力、最新設備を有しており、高品質な基板実装を実現できます。また、厳格な品質管理体制を敷いているため、不良品の発生率を抑制し、安定した品質を確保できます。
EMS企業に製造工程を委託することで、社内リソースをコア業務に集中させることができます。