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電子機器 生産委託・開発委託の基礎

ODM・OEMにおける、電子機器の試作開発~量産までの流れ

ODM・OEMとは?

ODM(Original Design Manufacturing)とは、製品の設計から製造までを一貫して請け負うサービスのことです。顧客は製品のコンセプトや仕様を提示するだけで、ODM事業者が設計、開発、製造、品質管理までを行います。

一方、OEM(Original Equipment Manufacturing)とは、顧客が設計した製品を製造するサービスです。顧客は製品の設計図や仕様書を提供し、OEM事業者はそれに基づいて製造を行います。

ODMとOEMはどちらも外部に製造を委託するサービスですが、ODMは設計から製造まで、OEMは製造のみを委託するという点が異なります。

詳しくは下記記事をご覧ください。

>>「電子機器ODMとは?OEMとの違いやメリット・デメリットをわかりやすく解説!」

>>「電子機器の製造モデル「EMS」とは?EMSで対応可能な範囲をご紹介!」

 

ODM・OEMにおける電子機器の試作開発から量産までの流れ

ODM・OEMで電子機器を開発する場合、試作開発から量産まで、一般的に以下の流れで進められます。

設計・試作フェーズ

企画コンサルティング

お客様の製品アイデアや構想をヒアリングし、技術的な実現可能性、コストなどを考慮しながら、最適な製品を企画する工程です。 専門的な知識と経験に基づき、お客様のニーズを的確に捉え、実現可能な製品コンセプトを明確化します。

構想設計

製品の全体像を設計する工程です。 製品に必要な機能、性能、サイズ、形状、材料などを検討し、基本的な設計仕様を決定します。 3Dモデリングなどを用いて、具体的なイメージを共有しながら、お客様と設計内容を詰めていきます。

光学設計

光学系の製品開発の場合は、光学設計が必要です。光学機器に必要となるレンズ、ミラー、プリズムなどの光学部品を設計する工程です。 光学シミュレーションなどを用いて、光学性能を評価し、最適な光学設計を行います。

回路・基板設計

電子回路の設計と、その回路を実装するプリント基板の設計を行う工程です。 回路設計では、製品に必要な機能を実現するための回路構成を決定し、基板設計では、回路を効率的に配置し、ノイズ対策などを考慮した設計を行います。

ソフトウェア設計

製品に組み込むソフトウェアを設計する工程です。 制御プログラム、画像処理プログラム、通信プログラムなど、製品の機能を実現するためのソフトウェアを開発します。

メカ設計

製品の筐体や機構部品などを設計する工程です。 3D CADなどを用いて、部品の形状、寸法、強度などを設計し、組み立てや動作を考慮した設計を行います。

試作・工程設計

設計に基づいて試作品を製作し、設計の検証や性能評価を行う工程です。 試作を通して問題点を洗い出し、設計へのフィードバックを行うことで、製品の完成度を高めます。 また、量産を見据えた製造工程の設計も行います。

 

立ち上げ・量産試作・量産フェーズ

ライン立ち上げ

量産開始に向けて、製造ラインを構築する工程です。 生産設備の導入、作業手順の確立、人員配置などを行い、効率的な生産体制を構築します。

部品調達

製品に必要な部品を調達する工程です。 複数のサプライヤーから、品質、価格、納期などを考慮して最適な部品を調達します。

基板実装

設計されたプリント基板に、電子部品を実装する工程です。 昨今は表面実装が主流であり、チップマウンタにて実装します。実装ラインの構築ノウハウが必要となります。

組立

実装された基板やその他の部品を組み合わせて、製品を完成させる工程です。 組み立て工程は、製造指示書に基づき、正確かつ効率的に行います。

検査

完成した製品が、設計仕様や品質基準を満たしているか検査する工程です。 外観検査、動作検査、性能検査など、様々な検査を実施し、品質を保証します。

梱包・出荷

検査に合格した製品を梱包し、出荷する工程です。 輸送中の破損を防ぐために、適切な梱包材を使用し、安全に出荷します。